からのせかい

引きこもりのからのなかのおはなし

ズケズケ女子

f:id:Spaceintheshell:20170721173332j:image

小さい頃から人見知りで内弁慶

そんな私の大の苦手は今の今までも一貫している

口の達者な〝ズケズケ女子〟である

 

この世に生まれたときからそうだった

年子の姉は気が強くたくましく頭も口もよく回るまさにズケズケレジェンド

幼くして母親を奪われたことへの憎き天敵への制裁だったのか、悪い意味でよく私を可愛がってくれた

無謀な探検に連れ出され見知らぬ場所に放置されたり、お人形ごっこの人形に仕立てられ近所のはなたれ小僧とむりやりチュウさせられたこともあった

秘密や隠しておきたいことを嗅ぎ分ける能力たるや警察犬並の才能を持っていて、見つかれば最後スピーカーのごとくバラして歩く

そんな姉から軍隊のような厳しい訓練を受け長いものに巻かれる受け身の精神を体で覚えていった

訓練の甲斐あって幼稚園時代は自分を守ることだけに専念、常に不信感をもって世の中を見ていたので友達なんか口の聞けない犬で十分だった

そんな私にも小学校時代には人生唯一の心の友と呼べる人物との出会いがあった

その名を思い出すだけでも目頭が熱くなり癒される

〝やっちゃん〟

やっちゃんはいつも朗らかでやさしく春に咲くタンポポのような人だった

しもべとして生きてきた私の灰色人生を美しく彩りあるものに塗り替えてくれたやっちゃん

控えめでいつも私を立ててくれ、私のつまらない空想話や姉への愚痴でもニコニコしながら楽しそうにずっと聞いてくれた

家もすぐ近くにあったのでとにかくいつも一緒、野山をかけ回り季節を共に感じ孤独を忘れさせてくれたひととき、竹馬の友

しかしそんな人生の春は長くは続かなかった

 

やっちゃん転校

 

終わった

私の春

 

それからは元どおりのぼっちの世界

あれほどの理解者は今だ現れない

 

どんどん口が達者になってモンスター化するズケズケ女子から逃れるように、残された長すぎる小学校生活を勉学と漫画に費やしたものだ

 

しかし冷静に振り返ると逃げ回っていたはずが気づけば結局いつも一番近くにいるのはズケズケ女子

呼ばずともやってきて、土足でグイグイ近づき悪気無く思ったことをズケズケ話し口の刃で時々グサリ

それでいて頼みももしないのに世話を焼き守ってくれ頼ってくれ慕ってくれる

 

終わりそうにないな

私の夏